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挑む!昭和の人たち
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教員

患者さんを中心とするのチーム医療でがん治療に向き合う

医学部 外科学講座(乳腺外科学部門) 中村 清吾 教授
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患者さんのための研究であり、患者さんのためのセンターを考える

乳がんは、年間約10万に発症する日本人女性で最も患者数の多いがんであり、そのうち5~10%の患者が、親から子に乳がんや卵巣がんになり易い素因が受け継がれる、いわゆる遺伝性の乳がんであることがわかっています。今は遺伝性乳癌に有効性の高い分子標的薬が開発され、その適応を調べるためだけに遺伝子検査が行われています。(コンパニオン診断といいます)が、近い将来には、家系内に複数の乳がんや卵巣がんがいらっしゃる遺伝性の可能性が高い人に保険適用の幅が広がり、より多くの方に病への警鐘や患者さんの遺伝情報やがんの特性に合わせた予防や治療が行えるようになることを期待して臨床や研究に取り組んでいます。

また、手術で摘出した組織における遺伝子情報を網羅的に調べ、より効率的・効果的に病気の診断と、新たに開発された分子標的薬など適応を、より正確に行う、いわゆるがんゲノム医療も急速に発展しつつあります。
がん組織の検査から偶然に見つかった遺伝性腫瘍への対応(本人及びご家族への遺伝カウンセリング)も早急に解決すべき課題となっています。

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私は2010年に、昭和大学病院でブレストセンターを設立しました。なぜセンター設立を目指したかですが、一人の乳がん患者さんに対して、診断や手術をする乳腺外科医、薬物療法を専門とする腫瘍内科医、再建手術を担当する形成外科医、その他遺伝カウンセラーや検査技師、看護師などその他様々なメンバーで構成されたチーム医療を施す必要があります。
昭和大学では、各学部の学生がそれぞれの役割を意識して実習に臨んでいます。例えば歯科医師を目指す歯学部の学生であれば、化学療法前の患者さんだと虫歯や歯槽膿漏があると、療法中に高熱を出したり、患部が悪化することもあるので事前チェックの大切さを学びますし、骨転移の治療薬が引き起こす顎骨壊死などへの医療チームとしての対策も実地体験することができます。チーム医療に重きを置く昭和大学では、学生のうちから、チームの一員として、どういう形でがん治療に向き合うかなどを、臨床の現場で学ぶことができます。

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失敗を恐れずにチャレンジすること、現状に満足せず革新的に取り組んでほしい

私はもともと乳がんのみならず、消化器系の疾患も診る一般外科医でもありましたが、乳がんの治療が転換期を迎える(乳房切除術→乳房温存療法、リンパ節廓清→センチネルリンパ節生検)のを間近に感じ、様々な臨床試験が行われる中で、様々ながんの治療において、最も革新的な取り組みをしていたことに惹かれ、乳腺外科医の専門になりました。欧米で次々と開発される新しい医療技術や薬物療法吸収し、自らもアグレッシブに研究開発に挑戦していきたいという気持ちが強かったですし、同時に、患者さんの完治を目指したいという思いがあります。
学生には、失敗を恐れずに、とにかくチャレンジすることと、イノベーションというか、革新的に新しいことに取り組んでいってもらいたいと考えています。がんの外科医は例えば新しい治療法についてとことん突き詰めていって、手術手技であれば、患者さんの傷が目立たず、痛みがほとんどなく、元通りの生活に戻れたとの感想が自らの喜びとなり、究極の目標は、術後10年、20年と、健康な状態で人生を全うしてもらうことです。

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昭和大学を目指す皆さんへ
メッセージ
常にイノベーティブなことを考えて、失敗を恐れずにチャレンジをすることが大切です。特に外科医を目指す人はそこが原点になりますし、がんやその他の疾患においても病気を撲滅する、治すことを目指して自らトライしていくことが重要だと考えています。また大学は教育・研究・診療のバランスを取りながら学ぶ場所でもあります。そのために昭和大学はチームで学ぶ・実践する、をモットーとしているので、是非皆さんにもそれを学びに来てもらいたいです。
私の「至誠一貫」
まずは患者さんが大切にしているもの、そして医師に伝えたいことは何なのかなど、とことん話を聞くこと。傾聴と共感を大切にしています。再発リスクのあるがんという病気に立ち向かう患者さんのために、同じ目線にたち、最善を尽くしたい。そのために目の前の課題に一つ一つ、取り組んでいます。
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